6回国際協力塾セミナー

当日の様子

2011年11月5日(土)に「交渉」をテーマに第6回国際協力塾セミナーを実施し、総勢19名の国際協力や交渉に関心のある社会人および学生の方にご参加いただきました。本物さながらの国際会議の雰囲気を感じながら交渉力を身につける実践形式に大変盛り上がりました。

6回国際協力塾合宿の概要

今回、通商産業省(現:経済産業省)および外務省にて、通商交渉・多国間交渉など多数の「交渉」経験をもつ当団体の香田忠維理事が講師を務め、交渉力をつける上での大事なポイントについて講義しました。後半のグループセッションでは、世界一難しい「イスラエル・パレスチナ」問題をテーマとし“英語”で交渉に挑戦する模擬国際会議を行いました。

当日のプログラム

  1. 「国際協力における”交渉”とは?」

  2. 「知って納得!“交渉”テクニック」

  3. グループセッション:「交渉作戦会議」

  4. グループセッション:「実践!模擬国際交渉」

  5. フィードバック・質疑応答

講義の様子

まず、はじめに、香田理事がこれまで実際に経験してきた、米国、GATT(現WTO)、中東の交渉や国際会議の場での様子を紹介し、参加者は、熱心に聞き入っていました。次に、その経験を通じて感じてきた交渉の大局的なポイントについて講義を行いました。

ポイント①:「目指すべきは “議長”です!」

香田理事は国際会議における議長経験をとおして、議長は国際会議の全責任を負う重要な役割と感じているそうです。塾生にも是非いつか議長をつとめてほしいとの熱い想いから、ステートメントを読みあげる際のアイコンタクトのコツや、国際会議の進め方を理解するための参考資料として、イギリス人作家のジェフリー=アーチャーやその他映画や書籍等の紹介がありました。

ポイント②:「英語はもちろん、他の言語も!」

香田理事は、これまで英語の語学留学やアラビア語学習の経験があり、国際社会や国際協力の場で活躍する上で、語学の習得は非常に重要であると考えています。塾生は、香田理事とプロの会議通訳の鈴木律理事(イスラエルのシモン・ペレス元大統領の通訳経験有)とともに、国際会議で実際に使用されている様々な英語表現や、香田理事が議長を担当した際に使用してきた貴重な英語フレーズを学びました。

グループセッション:交渉作戦会議

後半は、「パレスチナが国連加盟することに賛成か反対か」をテーマとして取り上げた模擬国際会議にて、参加型で英語で交渉を実践的に学びました。

事務局より国際会議の進め方について説明したあと、塾生は6つのグループ(議長・パレスチナ・イスラエル・米国・EU・日本)に分かれました。「議長グループ」は、香田理事より提供された議長のアンチョコ(英語フレーズ集)を参考に、模擬国際会議の進行を確認しました。「各国グループ」は、代表を選出し、予め事務局が準備した交渉テーマにおける各国立場をまとめた資料をもとに、会議の場での各国主張内容について作戦会議を行い、英語でポイントをまとめました。

グループセッション:実践!模擬国際交渉

議長による木槌(香田理事の私物)の開会の合図で会議がスタートし、各国主張のあとは議長による決議草案作成のため一時休憩。ところが、議長席に「待った!」とパレスチナ代表団が詰め寄り、他国も交え白熱した非公式”討論が行われました。最後は、鈴木理事による英語のサポートにより、当事国満場一致の”議長声明”をまとめる形で会議は終了しました。

発表・フィードバック

香田理事からは、宗教の話題は”交渉”ではタブーだが、背景としての理解は非常に重要であること、中東を勉強する場合、まずは旧・新約聖書を読むことの2点のアドバイスがありました。鈴木理事からは、まさにパレスチナ国連加盟の国連審議期間中だけに、非常にリアルな模擬国際会議になり感激したとのコメントがありました。最後に高松珠子賛助会員(会議通訳)にも英語表現や学習方法のアドバイスを頂きました。